BLOG えんぴつ削り

2021.11.30HOWTO

コピーライターって何する人?

こんにちは、コピーライターの辻内真理子です。

今日は「コピーライター」という職業について、私の見解を述べたいと思います。
というのも、私自身「コピーライターって何する人?」と質問されることが本当に多いんですよね。この質問には、ざっくり「広告物のキャッチコピーや文章を考える人」と答えるようにしているのですが、実はライティングって最終段階の作業。コピーライターとしての真の仕事は、ライティングに至るまでの過程にあると私は感じています。

たとえば、チラシ制作を依頼された場合。

 

①クライアントさんへの「ヒアリング」

 

チラシの仕様・訴求する商品の情報・競合との差別ポイント・メインターゲット・チラシの目的・配布方法・制作までの経緯など、伝えたいことがブレないようしっかりと想いを聞き取って、ツールの方向性を見極める必要があります。
ひとつでも曖昧な部分があると、キャッチコピーも掲載する内容もふわっと曖昧なものになってしまう(ここ本当に大事!)。だから、できるだけ最初の打ち合わせには参加するようにしています。担当者さんから直接話を聞いて、その温度感をつかみたいのです。

 

②「構成案(ワイヤーフレーム)」の作成

 

構成案は制作会社によってはデザイナーが担当することもありますが、個人的にはコピーライターがやったほうがいい領域だと思っています。
コピーライターが構成案を作るメリットは、ロジックに基づいた芯のある提案ができる点。さらに、キャッチコピーや見出しコピーを仮でサラッと入れ込むことができるので、仕上がりがイメージしやすい。この段階で先方とすり合わせができていれば、デザインやコピーの方向性を大幅に間違えることがないので、後がスムーズなんです。とはいえ、プランナーを兼ねているデザイナーさんと組む場合はライティングに徹することも多々ありますよ。

 


↑私は自己流で覚えたIllustratorでガシガシ作ります。

 

③チラシの「ライティング」

 

ヒアリングや構成案をふまえてのライティングになるので、方向性は明確。なので、そこまで執筆に悩まなくてもいいわけです。キャッチコピーや見出しコピーの開発が終われば、あとは紙面のスペースに合わせてボディコピー(本文)を粛々と進めるだけ。最後に、商品のイメージやターゲットを意識したテンションに文面を整え、改行や漢字・ひらがな・句読点のバランスを調整して終了です。
要は、チラシの軸を捉えることができれば自動的にコピーは進んでいくということ。ライティングは慣れることでうまくなっていくので、5年・10年・15年・20年と、楽しんで書き続けていれば、スピーディにいい文章が書けるようになるはず(実体験より)。

④提出・入稿前の「校正」

 

ライティングに至るまでの過程が大事なんですよ、と初めに言いましたが…すみません、最後の校正もめっちゃ重要です。デザインの初稿をクライアントへ提出する前に、漢字・文法・数字などの間違い、文字欠けなど、デザイナーさんが気づきにくい文字の部分を血眼になってチェックする必要があります。
紙媒体の場合、印刷後に重大な誤植(文字間違い)が見つかった場合は刷り直しになることもあるし、何よりもせっかく心をこめて書いた文章が自分のケアレスミスで台無しになってしまう。だから、ひたすらチェック!チェック!チェック!なのです。
地味な作業だけれど、間違い探しゲームのような感覚でやれば少しは楽しめるかも(笑)。私はこの地味な作業が、意外に好きだったりします。

 

 

なんとなく、コピーライターの仕事を理解していただけましたか?
たった1枚のチラシ制作でも「ヒアリング・構成案作成・ライティング・校正」といった重要な役割があるんです。
この他にもコピーライターの仕事は、コンセプト立案やタグライン開発、ネーミング提案、プランニング、取材、記事作成など、多岐に渡ります。最近では、企業様のインスタやツイッター、ブログなどSNSの原稿作成を依頼されることも増えてきました。

つまり、言葉に関わるすべての領域でサポートできるコピーライターは、“ことばの整理屋さん”なのです。
と、偉そうに語っていますが私もまだまだ勉強中。これからも“ことばの整理屋さん”として、恥じないよう精進していきたいと思います。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

 

 

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えんぴつ|ことばの整理屋さん
コピーライター 辻内 真理子