ことばの整理屋さん

女優ののん（旧芸名：能年玲奈）さん主演のアパレルブランド「Palm maison」イメージムービーに、後付けでストーリーを入れる、という変わった依頼。

妄想力をフル回転させて、ムービーに合うストーリーをコピー化。右脳だけを使った楽しすぎる案件でした。

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〈STORY〉

“まるで綿菓子のような人だ”

彼女を評した言葉の真意を
誰も知らない、もはや知る由もない。
だがそれは、捻じ曲がったまま定着し、
彼女自身のアイデンティティになった。

『確かなものなんて何もないわ』
『信じるものは消えてゆくもの』

ねじれたアイデンティティは膨らみ続け、
外の世界を忘れる努力が続いた。

“まるで綿菓子のような人だ”

とりとめのない言葉の先に何があるのか
ある日、一冊の書物が教えてくれた。

彼女は気づいたのだ。
自分の人生は、どこまでも自由で
確かで信じれるものだったことを。

一冊の書物が織りなす物語は続く。
けれど、それはまた別のお話。